電子基板を作っていると、スルーホールやビアのところで「めっき」に興味をもたれる方は多いのではないでしょうか。
かくいう私もめっきに興味を持ち、ネットで色々と調べてみました。
めっきは、「鍍金」と漢字で書くのですね。
めっきには、「電解めっき(電気めっき)」、「無電解めっき」や「真空蒸着めっき」など、様々な手法があるのですね。
そういえば、昔SEMを利用するとき、試料(岩石)に真空蒸着めっきで金を処理してたなぁ・・・なんて思い出しました。
スルーホールやビアは「無電解めっき」をする必要があるのですがこれはちと難しくて、今回は家庭でも出来る「電解めっき」を行ってみました。
ネットで皆さんがやられている「サンポールめっき」ですね。
サンポールめっきは、塩素系洗剤である「サンポール(商品名)」を「電解液」にしてめっきを行う方法です。
サンポールは塩酸(9.5%)の洗剤です。
今回は、このサンポールを3倍希釈して電解液としました。
サンポール希釈液を紙コップに入れ、安定化電源の(+)極に銅線(めっきするもの)、(-)極に亜鉛めっきされたボルト(めっきされるもの)を接続しました。
めっき中の写真を見てお分かりだと思いますが、通電中は(-)極側に接続されたボルトからプクプクと小さな泡が発生しました。
反応式は今回書きませんが、この泡は水素が発生しているものです。
電流の値を測定しませんでしたが、両極間にかけた電圧は3Vです。
3Vで約1時間放置しました。
右の写真は、1時間放置後(めっき後)の写真です。
比較のため、左側のボルトは処理前のものと同じものです。
右側のボルトには、綺麗な銅色になっていました。
フムフム、これがめっきというものなのですな!
めっきする側の銅線は、なんとなく表面が白っぽくなっていて、結構な反応をするものだなぁと感心しました。
最後に、実験に使った「サンポール」の処理ですが、この溶液の中には塩化銅が含まれているのでいくら少量とはいえそのまま下水に流すことは出来ません。
手元に重曹があったのでそれで中和(銅を沈殿)させ処理しました。
手軽に?とは言えないかもしれませんが、めっき処理はなかなか面白いものですねw